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第7回フューチャーセッション「観光業×IT(リゾテック/ResorTech)」

2019.01.21

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第7回フューチャーセッション「観光業×IT(リゾテック/ResorTech)」

2018年12月25日(火)、那覇市にある八汐壮にて「観光業×IT(リゾテック/ResorTech)」を開催しました。

これまでに開催してきたフューチャーセッション「観光業×IT vol.1」「観光業×IT vol.2」での気づきを元に、観光業界の各業態からステークホルダー、IT関係者、観光業に興味関心のある方に参加していただき、改めて「沖縄観光における課題と可能性」「リゾテック(沖縄型リゾート×テクノロジー)の在り方」を話し合う場を創りました。

今回の参加者は34名(観光 10名、IT 11名、IT/観光 3名、その他 10名)でした。

※リゾテック/ResorTechとは:
「リゾート×テクノロジー」の造語。宿泊、購買、移動、アクティビティなど一連の観光行動を便利で楽しくするためのテクノロジー全般のこと沖縄県が今後、沖縄観光ブランドとして確立・発信していき、世界トップクラスの観光・リゾート地を実現することを目的として作られたキーワード。


[1] キーノートスピーチ(論点提起)

最初にキーノートスピーチとしてでは株式会社アンガーリングジャパンの中村氏より沖縄の現状の課題について情報提供をしていただきました。
現状課題について、ポイントをまとめると以下の通りです。
1.沖縄観光の成長の現状、
2.住民満足度が十分に計測されていないことに関する懸念、
3.地元住民、観光客、サービス提供者の観光に携わる人全ての人が幸せになれる街づくりのためのコンセプト、
4.世界の観光客数の推移と将来の予想
5.沖縄から世界に通用する観光産業を目指すためにどの問題に注力し、いかにIT技術を活用して解決していくか。
について発表していただきました。


[2] フィッシュボウル

席を同心円状に配置し、参加者の代表者数名がその中心部で対話を行う、フィッシュボウルを行いました。対話では沖縄観光における「現場レベルでの課題」を主題に話を進めていきました。

この対話で、
1.観光に関わる分野は、旅行業、ホテル、交通機関をはじめ、飲食、航空、建設、行政、医療機関など幅が広い。
2.ホテルの現場では人材が不足しており、部屋は開いていても稼働させることができていない。
3.観光資源はあるがニーズが集中しすぎており、自然資源やサービスの質の低下が起きており、入場制限などの管理が必要。
4.観光税の導入の必要性
5.他の地域に先駆けて、持続的な観光産業の形成のために何を達成していくべきか(KPI)を考えていく必要がある。
6.ハワイではクルーズ船は現地の収益にあまり寄与しないので受け入れないことを決めたという例もあり、本当に沖縄の発展に寄与するものが何なのかを見定めたうえで達成すべきことを決めていかなければならない。
などが話題として出てきました。

また、
1.ヨーロッパの観光資源への取り組みを習い、作りこむものは作りこみ、作りこまないものはそのまま見せるという姿勢
2.地元住民自身が沖縄の観光を満喫していることが観光客に伝わること
3.沖縄文化の独自性を発展させること
などが沖縄を世界トップクラスのリゾート地して認知してもらうために必要なこととして挙げられました。

さらに、
1.シンガポールでは観光地そのものもよかったが、無人化が進んでおりその体験が新鮮であったこと
2.無料Wi-Fi情報などのn観光データを分析し見える化するなど、その分析結果を多くの人が利用できるようにすればサービスの向上につながる可能性があること
3.交通システムの改善
4.Wi-Fiの速度の改善などのインフラ整備
5.沖縄を回遊させるための観光情報をデータベース化しAPI化することで多様な観光情報を利用可能にすること
6.災害情報などのセキュリティー情報を提供するシステムの必要性
7.VTuberなどの活用
など、ITを活用して沖縄観光産業のレベルアップを図る、ResorTechの方向性が語られました。


[3] グループディスカッション

これまでの話も参考にしながら小グループに分かれてグループディスカッションを行いました。各々、沖縄観光についての課題や可能性そして達成しなければならないことなど思い思いに語り合いました。


以上が第7回フューチャーセッション「観光業×IT(リゾテック/ResorTech)」のレポートでした。

沖縄の観光業は、観光客数という観点から見ると目覚ましい成長を続けています。その一方で、地元住民の観光産業に対する意識調査は始まったばかりであり、観光産業の成長が地元住民にどのように影響しているかをまだ把握しきれておりません。観光客、サービス提供者、地元住民も含めた観光に携わる人々が幸せになるためにどうすればよいかという問題は沖縄が世界的なリゾート地として認められるために重要な問題です。

今後のフューチャーセッションでは観光に携わる全ての人が幸せになるにはどうすべきかを原則に、世界に認められる沖縄観光産業の発展をITを活用しながら如何に成し遂げるかについてその解決策を探っていきます。