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2018年11月26日（月）、うるま市にある「うるマルシェ」にて、「フューチャーセッション 農業×IT vol.3」を開催しました。前々回のフューチャーセッション「農業×IT vol.1」では、沖縄農業全体の現状と課題の把握を目標に沖縄農業について情報を共有し、大きな視点から対話を行い、主に沖縄農業の現状と課題についての理解を深めました。前回のフューチャーセッション「農業×IT vol.2」では1回目で浮かび上がった論点に的を絞り課題解決のための糸口につながる深い議論を行いました。今回は、これまでの「現状の課題を現在知っている解決策で対応する」という枠組みを超えて未来志向で沖縄農業について考えることで、これまでの課題に潜む潜在的な問題点をあぶりだし、新たなリスクや価値観に対応できる解決策を探るための対話を行うことを目指しました。

今回は、合計21名の方にご参加いただきました。

［１］これまでの内容の共有

今回初めて参加された人や前回までの話の流れを忘れてしまった人のために、これまで2回開催された「農業×IT」をテーマにしたフューチャーセッションの振り返りを行いました。詳細は以下のリンクをご参照ください。

フューチャーセッション「農業×IT vol.1」: https://isc-okinawa.org/blog/futuresession_no-3/

フューチャーセッション「農業×IT vol.2」:https://isc-okinawa.org/blog/futuresession_no-4/

「農業×IT vol.2」では以下の３つを論点として提起しました。
① 就職希望者は多いが就農の際のハードルが高く実際の新規就農は減少傾向にある。
② 農業の支援機関の負担が大きい。支援者側の業務効率化を測れないか。
③ 農家のリスクを減らすことや安定収入・生産を実現したい。

上記の論点の共有をした際に参加者からの質問や情報提供により、多様な意見が交わされ、沖縄農業を取り巻く課題とその背景についての理解が深まりました。参加者から主体的に意見が飛び出して議論が深まりました。

［２］「これまでの10年で起きた想定外の変化」についての検証

まず2人一組になり、「10年前には想像していなかったがこれまでに起きた農業や自分たちの食生活の変化」について、個人、農業、社会などの視点から対話を行っていただきました。対話の中で出てきたキーワードは付箋に記録し、個人、農業、社会ごとにまとめていきました。

参加者が掘り起こした「過去10年で起きた想定外の変化」は、壁一面を覆うほどの意見が出ました。この10年で個人、農業、社会において多くの変化があったことを実感しました。

最後に参加者が掘り起こした変化について全員で確認して共有しました。

［３］未来シナリオ

「今から10年後（2028年）に自分たちの身の回りではどのような変化が起きているか（※起きて欲しい変化ではなく、起きる可能性がある変化があるか）」について4～5人のグループで意見交換を行い、キーワードを付箋紙に書いて記録していきました。
未来シナリオで出てきたキーワードを、インパクトの大きさと起きる可能性の確実性の2軸で分類し可視化することで「変化の兆し（変化すると予想される動き）」の整理ができました。その後、グループごとにまとめた「変化の兆し」マップを発表し共有を行いました。
最後に、未来シナリオで作成したもののうち、「インパクトが大きく、不確実性が高い」「変化の兆し」について対話し深めていきました。

今回は「変化の兆し」について理解を深めていくために
①その変化が成立する条件は？（どんな社会？）
②その変化が起きた場合、私たちの生活ではどのようなことが起きているか？
③その変化に合わせて社会ではどんなサービスやビジネスが生まれているだろうか？
の3つの観点から対話を行いました。

［４］まとめ

今回のセッションでは、過去の10年の変化を振り返ることで10年という期間で起こりえる変化の規模感を掴み、次の10年を予想していきました。こうすることで実情を踏まえつつ未来について想像するということを行いました。その結果、これまでの「現状の課題を現在知っている解決策で対応する」という枠組みを超えて未来志向で沖縄農業について考えることができました。そして、これまでの課題に潜む潜在的な問題点をあぶりだし、新たなリスクや価値観に対応できる解決策を探るための下地作りができたのではないかと思います。

以上が「フューチャーセッション 農業×IT vol.3」のレポートでした。
今回3回目を迎える「農業×IT」をテーマとしたフューチャーセッションですが、残り1回の開催を予定しております。第4回では「具体化」を目指したいと考えております。